村上 嘉康
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耐震診断、補強について〜3  -2010.09.04-
  平成19年8月1日〜2日に、同年7月16日に新潟柏崎で発生した中越沖地震現地に
 被災地住宅相談員として行ってきました。現地本部の柏崎市役所に8月2日朝6時集合の為
 8月1日夜の11時半に埼玉を出発し、朝4時頃に本部集合場所へ到着しました。
  業務上、一般の方よりも多くの資料、データ、写真、ビデオ等見て、なおかつ耐震関連の仕事を
 させて頂いている立場ではあるものの、夜が明けるにしたがって実際の被災地を目の当たりに
 しますと、地震の力の恐ろしさに身震いした事を今でも覚えています。
  私達の役目は半壊状態で避難所におられる被災者の方と被災住宅に同行し修理方法を   
 アドバイスさせて頂く事でした。下の写真はその時の記録写真です。
  
   典型的な一階部分の倒壊直前状態        地震力に対抗した土壁耐力壁      地震発生瞬時に破れた障子紙
  最近では実物大の建物を実際に発生した地震波で揺らす実験装置も開発され、ニュースでも
 その映像が報道されています。先日、耐震等級が勝っている3階建木造住宅が倒壊し、そうでない
 3階建木造住宅が倒壊しなかった映像がニュースで流れたりもしました。そのような事から
 まだ計算、理論だけでは決めきれない事は多々あろうかと思います。
  しかしながら、国内で一番多く建てられているであろうはずの一般の木造二階建住宅に関して言えば
 実物大実験の映像、データ、そして実際の被災地被害状況を見て私達が普段取り組んでいる
 耐震補強の考え方は、間違っていなかったという自信を被災地で改めて持つ事ができました。
 
  耐震計算をしても、そして地震被災地の状況を見ても、実物大倒壊実験の状況を見ても
 やはり木造二階建の建物は一階部分が弱点になります。実際私が耐震補強工事までやらせて
 頂いた16現場の内、二階まで補強を施した現場は3現場でした。
  なおかつ一階の補強工事量の数分の一でした。そのような傾向が様々な要素と絡み合いながら
 それぞれの建物でわかってきますので、改めて耐震診断をされる事をお勧めしたいと思います。
            


  
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